贅沢なことだと、思う。
僕は今、缶チューハイ片手に、駅のホームで電車を待っている。いや、正確には待ってはいないのかも知れない。
空気は冷たいけど、眩しい陽射しは春を感じさせてくれて、ただただ心地良い。
しなくてはならない事など無いし、何をしたら良いのかわからない。
人はそれを退屈と言う。
贅沢なんだと思う。
幸福だとは、思えない。けど、きっと不幸だとも思っていなくて、なんとなく心地良い。
5秒さえ惜しんで、youtubeの広告スキップする僕が、ただなんとなく、縁もゆかりも無い知らない駅のホームで、休日の午前中に、光を浴びで、春を感じて、酒を飲んで、音楽聞いて、悪くないって思っている。
楽しくもなく、ただただ退屈。でもさ、不愉快でもないんだよね。
20代後半の時を思い起こす。
週末なんてなくて、何時だって稼ぐこと考えていた。力こそパワー。金こそ全て。金さえあれば僕らの抱く欲望の殆どは満たせる。そう思っていたし、今でもきっと僕の承認欲求を満たす方法の1つにお金って言うスケールは存在している。
退屈でさ、きっと明日だって、今日と似たような一日になる、そんな想像。若いときはこんな想像が僕の心を折りそうだった。
だからもがいて、抗って、自分と、周りを掻き乱した。楽しかった。
日当たりの良い縁側。
視界に映る世界は平和で、鳥が鳴き、虫の羽音さえ聞こえる。
そんな退屈な今、振り返る過去は、どんな映画やドラマよりも生々しくて、心を乱す。でも、それがきっとスパイスになってるんだろうね。
素直になれば、きっと僕は寂しいのだと思うのだけれど。じゃ何をしたいの?って聞かれたら上手くは答えられなくて、性的な欲求が無いわけじゃないけど、じゃ抜けりゃ良いかって言うと、そうじゃ無いし、腹いっぱい喰いたいかって聞かれたら、いや胃もたれが辛いから程々で良いって言うしさ、眠り続けたいか?って問われれば、その答えは否だ。そんなに疲れてないから、長くは眠れない。
じゃ、僕は何を求めているのか?
自分にとって都合の良いことなんだろうね。
セックスもしたいし、美味しいものも食べたいし、眠りもしたい。これはさ、僕というか生き物である限り消し得ぬ欲望なんだろうけど…
長えな(笑)
動物的な欲望が満たされたり、オミットされた状態での幸せってのを考えたのだけれど、もっとちゃんと考えた方が良さそうな予感を感じつつ、面倒くさくなった(笑)
多分だけど、これが幸福ってことなんだと思う。
幸福かどうか考えないと、言葉にしないと不安になるのが現代の不幸で、それを考える余裕があるのが、現代の幸福。
上手くは行かないね。
あぁだから僕らは生きる価値があるのか!