吐く息は白く
街灯に輝いて
見上げる空にはオリオンの三ツ星
咥えた煙草の煙か
僕の肺から出る水蒸気か
わからないけど、キラキラと輝いて
冬の夜の視界を染める
あの日と違うのは
僕が一人で、歩いていること
咥えているのが
当時吸ってたKOOL MILDじゃなくて
Amerian Spritsのメンソールになったこと
左を向いても君はいない
振り返っても
どこにも
明け方の桜木町でなくても
君がいないのは
刺されるような寒さが
肌だけじゃなく、心まで
ちくりちくりと
刺しては教えてくれる
それでも
見上げる
オリオンは
あの日と同じように
輝いていて
僕はそれをあと何度思い出して
白い息を吐けばいいのだろうか?
手にしたチューハイは
炭酸が抜けきって
混ぜただけのエタノールの味がした
やがてこの悲しい思い出も
輝かしく感じるその日が来るのだろうか?
そんな日が来てしまったら
きっと僕は今より不幸なのだろう
君を求める悲しみが
僕の幸福である不幸
オリオンは星いくつだったかな?