YMOは、ある意味でリアルタイムで、懐メロだった。
僕が音楽に支配されていた中学生の頃、バルセロナオリンピックやリトルブッダで坂本龍一を知り、メリー・クリスマスミスターローレンスで好きになり、YMOを知った。
僕がリアルタイムで知ったYMOには✗が付いていて、RYDEENやトンプーとか、メジャーな曲よりも、カバーなのかな?君に胸キュンが刺さった記憶がある。
晴臣さんも素敵だけど、教授もかっこいいけど、幸宏さんがなんかストイックな雰囲気でかっこよかった。
ドラムに興味を持ちながら手を出せないでいる理由に幸宏さんがいる。僕が叩いても、あんなにカッコよく叩けないってわかっているから。
そんな幸宏さんが死んだ。
ドラムをやろうと思う。
いやさ、わかっているよ、幸宏さんを理由にするのは卑怯だってのは。でもさ、本当に、アレよ北斗の拳でラオウとケンシロウの違いについてリュウケンが語った様な、虎がケンシロウに対しては、死を受け入れて大人しくなったのと同じような、そんな心持ち。比較にすらならないのはわかっているのだけど、絶対に勝てない相手がいる世界に飛び込めるほど僕は向こう見ずでもないし、いや、楽しみってだけで言うなら、気にすることは無いのだけど、でもさそれでもさ、やるなら最高を目指したい、至らないにせよ、目指すことすら諦めさせるほどのかっこよさが、幸宏さんにはあって、そんな人が死んでしまった事にショックを受けつつ、さもしいかも知れないけど、解放された感がある。
これ程バカバカしい話は無いのはわかっているのだけど、スティックすら握ったことのない僕が、幸宏さんに打ちのめされて、握ることさえ諦めたって言う僕の中の事実だけは変わらない。
ご冥福を御祈りいたします。