僕が今井雅之さんを知ったのは高校3年生のころだった。
高校の受験対策の一環で行っていた代ゼミのサテライト授業で、英語講師 西谷昇二さんの授業内でのお話しだった。
今でも鮮明に覚えている。氏曰く
・すごいヤツがいる
・元自衛隊員で、役者
・特攻隊の舞台を自分で作って、演じて、最近ようやく日の目を見るようになった
と言うような内容を授業時間の半分近くを使って熱く語っていた。
その語られた人こそ今井雅之さんだった。
この時を境に僕の中で「注目すべき俳優」となった今井さんの活躍については、僕が触れるまでもないだろう。
Winds of GODは特攻隊のお話し。
上演当初は”戦争賛美”などの批判もあったようだが、この舞台のどこを見て出てくる批判なのだろうか?現代のお笑い芸人がタイムスリップし、特攻隊員になると言う話の筋から考えても決して賛美の要素など含まれていない。かと言って当時の日本をこき下ろしているかというものでもない。ただただその時代に生きて死んでいった若者たちを賛美した物語だ。
戦後70年と言うきりのいい年。節目ではない。ただきっかり70年と言うだけだ。その70年の月日で、かつての若者が老人となり、語るものが少なくなっている中で、また一人、創作ではあるけれど、その当時の様子を伝える雄弁な”語り部”を失ってしまった。
闘病生活、本当にお疲れ様でした。
心よりご冥福をお祈りしております。