僕は23時台の電車に乗って、家路についていた。週末にもなれば、少しアルコール臭い車内。週の始まりから、疲れきったサラリーマンがコクリコクリと船を立ちながら漕いでいる。
なんて言うかね、20時台とは雰囲気がやっぱり違う。
人口密度は明らかに20時台の方が高いからと言ってしまえば、それが一番の違いなんだけど、20時台の乗客たちは「何か」をしている。
23時の電車では、大体が目を閉じていたけど、今の時間は多くの人が何かをしている。
今日って区切りで言えばあと3時間もある。
帰って寝るだけじゃなく、まだ何かができる。
これが余裕と言うものだろうか?
先を思うことが大事なのではなくて、それを選べると言うのが大事なんだろう。
選択肢の充実。
僕の1日が突然28時間になった訳じゃない。今までとの比較でそう感じてるだけ。この充実もきっと何もしないでいれば、いつの間にかまた同じように感じることになるだろう。
せっかく得た生活だ。
少しは大事にして行かなければ、ね。