幸福のヒント?

僕による僕が幸福になるための、ヒント集にするつもりだけど、だいたい愚痴、ときどき妄想、たまに詩っぽいの

僕と病み猫2

今日は、これを書いている6月7日は、電車に乗っている。もう、2ヶ月近く前の事になってしまった。

先週自転車パンクしちゃって、昨日、パンク修理をしたのだけど、どうやらチューブ交換が必要な程の穴だったらしく、チューブを買いに行こうと移動中なのだ。

 

久々の電車。

在宅勤務になってからも、何度かは乗ってはいるけど、やっと人の出は戻って来てるのかな?車窓の外を眺めると、視界に人の姿が入って来る。車窓の外は田園風景だから、あまり変化は無いのだけど、茶色かった田んぼには水が張られ、青々とした稲が風にたなびいている。

 

あの子と出逢った公園の周辺もこんな景色だった。まだ田んぼに水は無く、麦の畑が広がっていた。

 

自転車を漕ぎ出した僕の頭の中を、色々な想いが駆け巡る。

 

時間にして、およそ20分位だろう。おそらくは、死病にかかっているであろう猫を撫で、この子が生きて行く先を考えた。そして下した結論は僕には、この子が生きていたと記憶する他に出来ることは無いと言うものだった。

 

声の出ない、あの子に代わって声を出して泣きたい気持ちではあったし、漕ぎ出した脚はいつも以上に重く感じられた。

 

自転車操業とは良く言ったもので、自転車は漕がなきゃ進まないし、下手すりゃ落車する。

 

僕の中にそんな天秤があったかはわからないけど、落車の危険とあの子への想いは、どうやら落車の危険のが重く、心残りはあったけど、僕の脚が止まる事は無かった。

 

周りの景色は、より鄙びて来て、さすがに無いけど、地平線が丸く見えるんじゃないかってくらいの田園風景になった。

 

気付けば、県境まで来ていた。

 

目の前に広がる利根川の河原。人影も無い。

 

膝丈もあろう雑草の茂みがカサカサと揺れた。

 

僕はそこにあの子の幻覚を見てしまった。

 

時刻は14時。4月とは言え、一番暑い時間帯。喉が乾いた僕は近くのコンビニを探した。最寄りのコンビニでも、数キロ先。

 

コンビニに着いて、僕はお茶と猫用のエサを買っていた。