読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

幸福のヒント?

僕による僕が幸福になるための、ヒント集にするつもりだけど、だいたい愚痴、ときどき妄想、たまに詩っぽいの

希望の国のエクソダス

珍しく読書感想文です。

今回はこちら! 

希望の国のエクソダス (文春文庫)

希望の国のエクソダス (文春文庫)

 

 っても、次があるかわかりませんが、とにかく今回はこの本。

既に読まれた方はもしかすると僕が何をきっかけに読み始めたかご想像に難くないと思うのですが、簡単にネタバレ的なあらすじを申し上げますと・・・

なんかアフガニスタンで日本人少年兵が報道されて

それ見た中学生が全国的に不登校になって

なんかネットとか駆使して北海道の一部を合法的にのっとっちゃう

ってお話なんですけどね。

先日、名古屋に送還された方いましたよね?

ISに参加するんだかなんだかって言ってた人。

それで思い出したのです。この本を。

で、読んでみてびっくりしたのです。

この本2000年に書かれていたんですね。

当時はまだ日本ではアフガニスタンとかの報道はそれほどされていなかったのではないでしょうか?ちょうど僕がカナダから帰国したころに書かれていたんですねぇ。

アメリカの同時多発テロが2003年で、それ以降でしょ日本でアフガニスタンって国名が盛んに報道されるようになったのって。先見の明があったんですねぇ。

 

逆に言うと、日本の作家さんが題材にするほどにキナくさかったんでしょうね。

僕がカナダへ行っていた1999年~2000年というのは、記憶がただしければ、当時もかなりの円高で、カナダ$がたしか60円台とかだった気がします。作品中にたくさん経済のこととか出てきているのですが、池井戸さんとか真山さんに比べると、なんというかメインがそっちじゃないからってのもあるんでしょうけど、説明はあまりお上手ではない感じがして、正直なところ龍さんの本であれば、好きではないけど「トパーズ」とか「ラッフルズホテル」とかの方が文章としてはお上手だったように感じます。

まぁ、でもそれも中学生のころに読んだ記憶を頼りに言っているので、定かではありませんが・・・そう、僕はきっとこの本に出てくる中学生のような中学生だったと思います。

尾崎豊が死に。子供の代弁者はおらず。妙に大人も物分りがよくなっちゃて、振り上げる拳の落とし先が見つからない子供たち。ブルーハーツは大人と戦ってはいなかったし、ま、言ってしまえば尾崎豊だってもう子供でもなかったんですけどね。とにかく子供たちが妙に社会の仕組みに取り込まれ始めて、反発する気持ちさえもスポイルされ始めていた。誰もが信じちゃいないけど、なんとなく「いい大学行って、いい会社入って」を目指してしまっていた中学生たち。ちょうど今の29~33くらいの人たちがぴったり当てはまる世代なんでしょうね。僕は、ちょっとだけおっさんだけど、でも中学生のときから村上龍の本なんかを読んでしまっていたから、なんと言うか・・・大人の知識っていうか、大人たちが「エッチなことはいけません」って言ってるのに、「トパーズ」とかがベストセラーになっちゃうんだから、ね?小学校の給食のときに流れていた「お話出てこい」とかっていう、童話朗読の放送でだったか、道徳の教科書だったか国語の教科書だったかで読んだ、一休さんの水あめの話みたいな感じで察するだけの賢さはもってた中学生だったんだと思うのです。でもね、今回この本を読み返してみて、全てが繋がった気がします。

「69」

多感な中学生男子はこの数字をすぐヤラシイことに繋げて考えちゃうんですけど、まぁ狙いもその通りだったんでしょう。大学共闘時代の福生の少年たちのお話。貧しさと不条理がそこいらじゅうにあった時代のお話。

「コインロッカーベイビーズ」

1970年代初頭に起きた子供のコインロッカー置き去り事件からの着想で、近未来小説?なのかな?都市の目抜き通りからは貧しさが排除され始め、人々が成長を感じ始めたころのお話なのかな?

「トパーズ」「ラッフルズホテル

どっちだかは忘れましたが、どっちもだったかな?とにかく性にまつわるお話が多くて、そして猟奇的。たぶんバブルのときに何かを見失ったんでしょうね。バブリーな印象。

そして「希望の国エクソダス」が2000年。バブル崩壊後の作品ですよね。

たぶんこのあたりあら龍さんの経済や教育への傾倒が始まるんですかねぇ?

 

 

でね、僕が今回繋がったって感じたのは「欲」ってテーマで繋がった気がしたんです。90年代以前の作品って登場人物がギラギラしてて、龍さんの表現も生々しくて中学生のときに「トパーズ」は読んで性的興奮を覚えつつ、結局吐いた気がする。それでいてなんか美しいとも感じてしまったのだけども・・・。

 一方、今回の「希望の国エクソダス」では、その背景となった世界がバブル崩壊後の不況にあえぐ日本だからってのもあるんでしょうけど、そうねぇ、なんというか北野ブルーみたいな印象なんです。僕の中に「村上龍=えっちな小説」くらいに思っていたので、「13才のハローワーク」とかタイトル聞いただけだったら怖くて読めなかったんですが(本当は学校に置いておける安全な本です)、エクソダスに関しては村上春樹さんの小説からエッチさを抜いて、池井戸さんと真山さんの中間くらいの硬度の経済的な知識をメチャクチャ希釈したような印象。でも、そういった表現は一切なくて、その点も時代を反映しているんだろうなぁなんて思いました。

で、決定的だったのが、最後に元不登校中学生の中心的な人物ポンちゃんが言う「僕らには欲がない」というニュアンスの台詞。

希望と欲。

似ているけど、決定的に違うもの。

希望もきっと突き詰めれば欲で、二つは同じものなんだと思う。

きっと欲が満たされる手段さえないときって欲で、満たされる手段が見えてくると希望になって、満たされ始めるとまた欲になってやがて際限がないように見えて、でもいつかやがて満たされるのではなくて、飽きるって形で欲とは言えなくなるのだと思う。

みんなが持ってなくて、みんなが欲しがっているときは希望。

みんなが欲しがって、みんなが得られてしまっているときは欲。

そんな感じなのかな?

 

久々に今日ね、都内に出たの。

そしたらさ、きれいなお姉さんたくさんいるのね。

でもね、なんかさ、もう昔みたいに「おおぅ!」って思わなくなっちゃったの。

おっさんになったから、なんだろうけど、認めたくない。

まだまだギラギラしていないといけない。ってかしていたい。

でも一方でやっぱり子供たちかわいいなって思うし。あ、変な意味じゃなくてね。

僕にとって子供って希望なのかな?欲なのかな?

きっとどっちもなんだろうね。

 

久々に何も考えず、ただ考えたことを垂れ流しました。

失礼しました。