幸福のヒント?

僕による僕が幸福になるための、ヒント集にするつもりだけど、だいたい愚痴、ときどき妄想、たまに詩っぽいの

Black or White

いやいや、そこが問題じゃないんだって

ブラックORホワイト

人種差別の話ではなく、仕事の話。

世に言うブラック企業

僕には実はあまりピンとこない。

今の僕の仕事は週6日出勤、拘束時間9時間(定時)サービス残業平均月に60時間、繁忙期にはサービス残業が100時間近くになる。そして繁忙期が年間の1/3。年間休日日数は多くて90日程度。酷い時には年間70日休めるかどうかってところ。

 

こう列記してみてやっとピンときたw

どうやら僕はブラック企業に勤めてるらしいw

 

でも、実は労働時間に関してはこれまでの仕事と対して変わらない。収入以外はね。

IT関連の仕事をしていたときも、本気で上目指そうと思っていたから、こんくらい働いていた。収入は今の倍近くあったけどね。そっか、収入か・・・

 

幸い、と言うか僕の場合はちょっと変わった経緯でこの業界入ってきたし、年齢も年齢なのでそこそこもらえているのだけど、基本的には新卒学生が就職した場合の初任給は基本給18万+手当2~4万で合計22万程度が相場の業界。

 

でも、これ本当にブラックか?

遠い昔の話。高度経済成長期を支えたうちの親父たちの世代。

今うちの親父も70になりますが、子供のころに親父に会えるのは日曜日だけだった気がする。そのころに既にブラック企業って考え方があったならブラック企業だったんだろうね。うちの親父もそんな風に思って働いていたんだろうか?違うと信じたい。でもたぶん、そんな風には思っていなかっただろう。当時は、大抵の会社がそんなもんだったんじゃないかな?要は基準の方が変わったんだと思う。

 

ブラック企業が問題になるのはなぜだろうか?法令遵守していないから?

たぶんなんですが、ブラック企業の根本的な問題はそこじゃなくて、「望まないのに」そう言う働き方をせざるを得ない状況なのではないかと思う。自分が納得して死ぬほど働いている人なんていくらでもいるしね。

 

そうでない人が多くなってきているから問題なんじゃないかな?

 

警視庁の統計によると昭和53年頃の自殺者数は2万人ほど、それが平成10年あたりからど~んと1万人増えて3万人突破。何があったかと言うと、バブル崩壊後の「終わりの始まり」の年と言えると思う。多くの企業が倒産し、本格的な不景気が始まった。ただ、それ以後ずっと3万人台をキープし続けていて、昨年ようやく3万人を切ったのかな?平成10年から数年は確かに企業の倒産も続いて、大変だったのだろうけどそれが10年以上続くのはこの時に大きく社会が変化したからなのではないだろうか?

社会の変容と構造的問題

日本社会がどのように変わったのか。

これは全くもって推測の域を出ないのだけど、日本って国がお手本を無くしちゃったって目指すものがなくなったんじゃないかと思うのです。

日本って国は非常に優秀な生徒なんだ。お手本があり、目指すものがあれば真面目に優秀な成果を出せる。ただ、目指すものがなくなると新たな何かを示すことができない。そして、失敗を恐れる。だから新しいことよりも、より確実性のあることを好む。ん~典型的な”勉強のできるいい子”ですね。

で、まぁそこへ来てグローバリズムって奴ですよ。こいつのおかげでだいぶいろいろとメンドイことが増えました。僕がIT系を離れた理由もこれです。もっと言えばSOX法ってやつね。

SOX法X日本企業の相性の悪さったらないです。内部統制に関する法令でコンプライアンスコンプライアンスって騒がしくなったのはこいつのせいなんですけど、「右へ倣え」の日本企業がさらにカチカチになってしまったのはこいつのせいだと思います。すると、投資家に都合の良い状況になるんですよね。要するに会社ごとの独自性が失われて、その業界でどこが強いかってのがその理由とともに明確にわかっちゃうんですよね。そして何よりも、バックヤードの共通化が図れる。するとね、職人技って必要なくなっちゃうんですよね。誰がやっても同じ結果が出る。そうなると後は労働のダンピングです。そりゃ企業としたらさ無駄に高い賃金払って人雇いたくないもん。同じ成果しか出せないなら安い人雇うよね。

で、終身雇用終了。

そうなるとさ、それまで抱いていたなんとなくでも「人生プラン」ってのが壊れちゃうんだよね。「いい学校行って、いい大学入って、いい会社入って、結婚して、家買って」って。日本の住宅ローンだって基本は終身雇用制でこそ成り立つ制度でしょ?

一方で成果報酬型の給与体系ってのが言われ始めた。終身雇用ではあり得なかった高額な報酬を優秀な人は手に入れられる。努力せずに優秀な人ってのはいないと思うんだけど、その努力を苦にしない優秀な人にとっては本当に素晴らしい制度。でも、努力が辛くて、心すり減らしてしまうような人にとってみたらこれほど辛いものはないよね。なまじ才能があったが為に、苦しむなんてね。

こうして変化した日本の労働環境は、本当の一部の人以外はみんな苦しむ状態になってしまった。働くことが苦痛って世界。本当にひどい状況だよね。

そう、国としてだけじゃなく、一人ひとりが何を目指していいのかわからなくなってしまった状況なんじゃないかな?

本当の問題点そして

もう正直書くのに飽きてきてしまったので、この辺りでサックリとまとめたいと思います。本当の問題点は、恐らく生産性の低さです。

世界の一人当たりのGDPの比較と労働時間の比較を見ると日本、韓国ってひどい。労働時間長いのに一人当たりのGDPは低い。下手すると労働時間的に短いところの倍近く働いて同じくらいのGDPだったりする。これって能力が低いからなのか?

たぶん違う。

日本人も韓国人も優秀なはず。

ただどちらの企業も”新しいもの”を作り出せない。

市場を作り出せないんだ。

ピザでさえ自分たちの発明品だと言ってしまえる韓国なのに、韓国から新しい市場が生まれることはないし、自分の作った新しい商品に自信を持てない日本からも新しい市場が生まれることはない。と言うか、日本の場合は、これまでは人口が多かったから日本国内市場で優位に立てればよかったってのもあるんだろうけどね。

なぜ生産性が低いかっていうと、たぶんここが一番の大きな問題点。なんやかんやで、自分たちにとって支配的な市場がなければ最終的には労働力のダンピング合戦になるからね。

つまり、ブラック企業しかない国にならざるを得ない。

まぁ、そうなったらそうなったでいいんじゃないのかな?オールブラックだったら誰も不幸にならない。

ただ、そん中で裕福な暮らしを送る人もいるから問題なのであって、みんな一緒に苦しめばそれほど気にならない「赤信号みんなで渡れば怖くない」って言う国民性だからね。

でも、それが望ましいことではないだろう。

そうならないために、何をすればいいのか?

そこが問題だよね。