I said

禍々しい雲だった。 窓から見える遠くの山に、黒々と蠢くような雲がかかっていた。 空想上の生き物のように、それはそう生きているような力を感じさせた。 何か意志を持っていそうな、そんな雲。 その下は遠目にも雨が降っているのがわかる。こちらへと向かってきていると感じた。 遠くに見えていた雨の範囲が段々と近づい…