痛みには強いはずなのだけど、歯の痛みはなんと言うか、絶望的な気分になる。手足末端の切り傷、打ち身とは違ってなんと言うか、敵が内側にいる不快感と歯を起点として顔や頭に広がる痛み。
暑くもないのに、吹き出る脂汗。
本当に最悪だ。
どうにかロキソニンで誤魔化しているけど、それにも限界を感じる。じゃ歯医者いけって話だけど、今週はちょっと厳しい。だからだろうか、今週と言うか、治るまでの、いや、治りはしないのだろうけど、痛みの原因が取り除かれるまではからこの苦しみが続くと思うと萎える。
しかし、葉の痛みが絶望的なのは、その措置がどう考えても、代替措置でしかないことだ。
何かの本で読んだことがあるのだが、野生の動物は、寿命を迎える前に、歯がだめになって死ぬと。僕はたまたま人間に生まれて、代替措置ではあるけれど、まだ対処する方法がある。しかし、今よりほんの100年前だったら、僕のこの歯痛は、死に至る病だったのかも知れない。
そう考えると、と言うよりは実際に食事を楽しめなくなっている今は生きることへの意欲がかなり下がってしまっている。
人間って結局3大欲求がある程度満たされていないと幸福を感じられないのだろう。
まさかまさかの歯痛を苦にした自殺などを考えてはいないのだけれども、この痛みは何かしらポジティブな気持ちを砕くには十分過ぎる力を持っている。
僕にとっては、それがたまたま歯痛ではあったのだけれども、恐らく人が感情的にではなく、遺書などを残して自殺するときの気持ちというのはこんなものなのではないだろうか。
終わりの見えない痛みや苦しみ、と言うよりは、むしろ楽しくないことが辛いのかも知れない。