いや、もっと近いかな?
最近は、祖父の件で実家から職場へ通っている。今日、久しく家へ着替えを取りに帰って、歩いて駅へ向かっていた。
僕が生まれ育った埼玉県は海無し県で、夏になると友達の車で大洗の海ってのが定番だった。年に数回見るか見ないかの海に僕はずっと憧れていたんだと思う。
10数年ぶりの実家での生活で居心地の良さを感じてはいたものの、やっぱり僕は海の側でしか生きられないって思った。
決して綺麗とは言えない神奈川の海だけど、そこには僕の空想をかきたてる何かがある。
小難しいことを言うようだけど、世界史的に見て、イギリスと日本って言うのは特殊な国家だと思う。資源にも乏しい島国でありながら、世界史にその名を燦然とかどうかはわからないけど、少なくとも影響を残した。
その背景にはきっと海との関係性があるんだと思う。
資源に乏しい環境は外の世界への憧れを抱く。そして、海に囲まれた環境は個性の強い、それでいて柔軟な価値観を作るのにはもってこいの環境だったのだろう。
埼玉の実家から通うことができない訳じゃない。
経済的なこと考えたらそっちの方がいいに決まってる。でもね、そうしちゃったら僕はきっともう海を望まない。
それは嫌だ。
だから、僕は海の側で生きて行くことを決めた。それが沖縄や南国の美しい海じゃなくてもね。
僕にとっての美しい海であればいい。