他人の喜びを素直に喜べるのはたぶんいいことだと思う。
でも、僕自身もそうだけど、時に嫉妬してしまったり、あるいは不快だったりすることもある。
それでも、お知らせしたい!!
そして、ほんのりでも温かな気持ちになってくれたら嬉しいです。
今、職場の電話が鳴った。見覚えのない携帯の番号から。
僕「はい、お電話ありがとうございます○○です」
相手「あの~、え~○○です・・・先生、覚えていますか?」
忘れるはずないじゃない。
生徒だったのは、そう5年も前の話。でも、その後もちょくちょく遊びに来てくれてた子。
僕「○○○○さんですね!お久しぶり!元気してた?どうしたの??」
元生徒「どうしても先生に相談したいことがあって・・・今から相談しに行っていいですか?」
僕「もちろん、何時くらいになる?16時ごろから予定入っちゃってるから、もしかすると、ちょっと待ってもらうかもだけど大丈夫?」
元生徒「はい。大丈夫です。今から行きますね!」
僕「待ってるね!」
生徒だった当時ちょっと複雑なご家庭の子で、いつもお金のことを気にしていた子。学校の成績は良くて、本当は性格も素直な子だったんだけど、当時はいろいろあって、警戒心の強い子だった。初めは、すんごく尖がっていて、扱いづらく、子ども扱いしようものならガンガン噛みついてくるような、そんな子だった。
そんな彼女も、お話しをしてゆくうちに、打ち解けてきて、やがてはいろんな悩みを聞いていた。恋愛のこと、家族のこと、将来のこと・・・etc僕が解決してあげられるものは何一つなかったけど、それでも彼女はよく話してくれた。
受験直前。ご家庭の事情で、私立併願校を受験しなかった彼女は、受験日が近づくにつれてナーバスになっていった。普段は明るい子だったけど、ほんの少しでも触れたら崩れてしまいそうな程に張りつめていて、僕はそんな彼女を担当の先生と共に励ましていたが、効果は薄く・・・僕はただ繰り返し
「君なら大丈夫!俺が保障する!もし万が一のことがあったら俺が責任取ったるからど~んと受けて来い!」と無責任なことを言うだけだった。
受験前日。
ほとんどの子供たちが帰ったころ、その子は目に涙を溜めてこう言った
「先生ありがとう!励ましてくれて、明日は頑張るから信じてね!」
そして抱きつかれた。
中学生女子に抱き付かれても嬉しくはないのだが、いろいろ問題ある行動なので、むしろ困ったのだけど、その後の彼女の言葉に僕は振り払うこともできなくなった。
「先生がお父さんだったら良かったのに・・・」
僕は、いろいろ頭をよぎったけど、彼女の頭を抱いてこう言った
「お父さんにゃ若すぎるだろよ、でも、いいさ合格発表までお父さんだ!」
そう言うと、彼女は僕から離れ、
「頑張ってくるね、お父さん!」
と、言って帰って行った。
彼女は無事合格して、僕のお父さん体験は終了した。
そんな子が連絡をしてきてくれたのだ。
嬉しくないはずがない。
もしかすると、僕には血の繋がっていないたくさんの子供がいるのかもしれない。
そして、たまにこうやって「お父さん」になるのかな?
うん、それも悪くはないかな?
今なら抱き付かれて喜んじゃいそうな自分が悲しいw
あ、もしかして、最後の一行で台無しになったかな?w