許されるものではなかった。
年の差。立場。環境。状況。
どれもこれも僕らを結びつけるものじゃなかった。
僕らを引き寄せ、結びつけていたのはただただ想いだけだった。
17歳も年下の女の子。本気になるなんてどうかしている。
僕だってそう思う。今でもね。
でも、あの子は真剣に僕を愛してくれて、僕はそれに応えた。
ITC全盛の時代に便箋3枚ものラブレター。
拙いボキャブラリーで書いてくれた想い。
誤字もあったけど、それでも嬉しかった。
でも、僕はその想いに応えることはできずにいたね。
時に諦めは大事って言うけど、その言葉を今は言えない。
君が諦めてしまっていたら、君と一緒にいられた幸せな時間も得られなかった。
あの雨の日。吐く息も白くなりそうな寒い夜に、僕を待つ君がいた。
正直言って少し怖かったけどね。あの時も叱ったけど、あれは良くない。
でも、それがなかったら僕も君を愛せなかった。
そこまで真剣に人を愛せるなんてね。
そんなことをしたらどんな結果になるかわからない子ではなかったから。
だから僕は受け入れられた。
でも、そう許される恋ではなかった。
一緒に出かけるたびに僕は保護者で親戚のお兄さんになっていた。
お兄さんって歳でもないけど恋人らしい雰囲気を出さずに一緒に歩いた。
たまに触れ合う手がすごく暖かかったのを覚えている。
君が望んだこと、何一つしてあげられなかった。
恋人として外を歩くことができない僕らだったから。
もし君が、何かの奇跡でこのメッセージを見てくれるのなら伝えたい。
本当にありがとう。
僕は幸せだった。
そしてごめんね。君を守りきれなくて。