労働者と経営者ってのは対立するもんだ。
向いている方向は同じなのかもしれないけど、前提条件が違い過ぎる。
カッコいい言い方をすれば、何度かスタートアップ企業に参加している。
有体のまま言えば、個人事業主の法人化に協力を何度かしている。
「理想や夢では食えない。」
何度も聞いた言葉だけど、仰る通りだ。
経営者はそれでも労働者には理想や夢を食わせようとする。
法人化するに当たり、社員の待遇についての相談をされると必ずこの行が出てきてしまう。「社員のために」「みんなのために」そう言ってくれるだけまだいい人なのかもしれないけど、でも最終的には「理想や夢では食えない。」と言う言葉に行きついてしまう。
そこのところは、経営って数字を見てしまうと仕方のない部分なのかも知れないけど、結局のところ多くの会社がスタートアップ後に軌道に乗れずに潰れてしまう理由はここにあるんじゃないだろうか。
スタートアップ企業の多くは殆どの場合何かしらの「独自性」をもっているはずだ。それが法人化し、その規則の中で「独自性」を失ってしまう。独自性を失った企業と言うのは過当競争にさらされ、体力がなくなって終わってしまう。
企業の持つ独自性と言うのは、きっと組織運営の仕組みだとか所謂バックオフィスにこそ表れるものだと思う。それが外注や受託、合理化された形で運営されてしまうとどこの企業でもやれることは一緒になる。
そうなると労働者としてはより条件の良い環境を選ぶよね。
経営者としても一緒だ。より条件の良い「労働力」を求める。
もはや「理想や夢」なんていらない。
「人はパンのみに生きるに非ず」と言うけれど、まずはパンがなければならない。
でも経営者は時に言う。
「パンが無ければ夢を食べればいいじゃない」
ったくどこの王妃様だ?
ジンテーゼってのが必要だ。
なんて、新経団連の『ベンチャーは労働時間制度の適用から除外を』とのコメントを読んで思った。